第1章 調査目的

1 エゾシカの現状 
○道は「エゾシカ保護管理計画」に基づく個体数の緊急減少措置として、狩猟期間の拡大や 頭数制限の見直し等を行うとともに、肉・角などの有効活用策を推進しているところであるが、捕獲数は年々減少する一方生息域が拡大し、地域によっては生息数が増加する傾向にある。

○これまでエゾシカ肉の有効活用に取組んできた市町村・JA等において、採算性の悪化や施 設更新期の到来などを機に取り組みを縮小する動きが見られる。

○最近、養鹿への関心が高まり、根室管内等で検討が進められているが、飼養技術や施設整備など課題が多く、小規模な飼養にとどまっている。

○BSEの発生などにより、食の安全に対する消費者の関心は高まっており、エゾシカの有効 活用においても、猟場近くでの衛生的な食肉処理体制の整備が求められている。


2 課題
○猟区の設定や捕獲個体の受け入れ施設を整備し、狩猟者の捕獲意欲向上を図ること。

○エゾシカの資源利用を図ること。(捕獲個体の一時飼養も含めた肉利用、観光資源としての利用など)

○シカ肉が適正な価格水準で安定的に流通し、より多くの消費者が安全・安心な食材として利用するための衛生的な処理体制の整備。

○適正処理されたシカ肉の安全性を認証する制度の導入。


3 調査の目的 
 ニュージーランドのシカ類は人為的に移入されたもであるが、養鹿を進めるなど、現在では世界最大のシカ肉生産国に成長している。上記課題を検討するためシカ肉生産の先進国であるニュージーランドの養鹿農家、屠殺場、関係政府機関などを視察し、北海道のエゾシカの資源利用の参考にする。

〔ニュージーランドにおける調査のポイント〕

○保護管理
・シカの移入及び急増期における行政の対応
・シカの移入によって自然植生等に及ぼした影響
・飼養への移行時における対応(占有経過等)
・現在の野生シカの保護管理及び狩猟制度、狩猟の状況
○有効活用
・野生シカ個体の馴致技術
・シカの飼養技術・施設
・シカの食品検査基準及び検査体制、品質管理
・養鹿産業化に関連する法律・規則・支援施策
・民間におけるシカ肉処理・加工・販売の取り組み